死亡数は多いけれど、死亡率は決して高くない胃がん・大腸がん
癌での死亡率は大腸がんが2位で胃がんが3位、毎年10万人以上の方に大腸がんと胃がんが見つかっています1)。胃がんについてはその原因の90%以上を占めるピロリ菌やそれに起因する胃炎の有無によって発がんのリスクを知っておくことが大事です。大腸がんについては生活習慣の変容により今後も増え続ける病気です。内視鏡検査はこれらの病気を早期に発見、生検により診断することが出来る唯一の方法です。大切なのは内視鏡検査は深刻な症状が出る前に受けることです。たとえば検診(健診)も体が元気で不自由がなくても毎年皆さん受けますよね。胃カメラ、大腸カメラも同様に安心して定期的に受けられる検査になることが私たち消化器内科医が最も望むところであります。
4割弱の現状 求められる受診率
全国における2016年の40歳以上のがん検診の受診率は胃がんで38.4%、大腸がん39.1%でした。これには人間ドックなどが含まれています1)。一方、市区町村で行われている検診に限ると受診率はいずれも30%前後でした2)。企業の薦めで毎年のように内視鏡検査を受けている方もいれば、一方で受検のチャンスがなく過ごされている方も多いのが現実です。
がん年齢は40歳代から、症状がなくても50歳までに内視鏡検査を
内視鏡検査を受ければ多くの胃がん・大腸がんは早期で発見することができ、最小限の負担で治療が完了します。特に長く休むことが許されない忙しい現役世代の方には、検査へのモチベーションを高めたいと思っています。気になる方はお早めに当院へご相談をお待ちしております。
参考文献
1)国民生活基礎調査による都道府県別がん検診受診率データ.国立がん研究センターがん情報サービス
2)国民生活基礎調査.平成25年