大腸ポリープ切除

大腸ポリープとは

大腸ポリープとは

大腸ポリープとは、粘膜がイボのように膨らんでできたものの総称で、がん化する可能性もあります。ただ、大腸ポリープ自体は疾患名ではありませんし、必ずしもすべてのポリープが「がん」になるとも限りません。

ポリープの中には、がん化するリスクがある「腫瘍性ポリープ」と、がん化はしないが出血などの症状を引き起こす「非腫瘍性ポリープ」があります。
この中でも腫瘍性ポリープである「線種」は、大腸がんになるリスクがあるため、小さいうちに切除した方が良いとされています。
また、非腫瘍性の中には「過形成ポリープ」というものがあります。これらは今まで、がん化のリスクがあまりないものだと言われてきました。
しかし近年では、「サイズが大きいもの」「上行結腸や横行結腸に生じたもの」の場合は、がん化のリスクがあると指摘されるようになっています。
早期の検査およびポリープ切除は、大腸がんの予防に繋がります。

大腸ポリープが疑われる方の特徴・症状

大腸ポリープが疑われる方の特徴・症状
  • 便潜血検査を受けた結果、陽性だった方
  • 便に血が混じっている
  • お尻から血が出ている
  • 貧血(立ちくらみ、息切れなど)
  • 運動する習慣がない
  • 肥満体質な方
  • 体重が減っている
  • 糖尿病にかかっている
  • 喫煙の習慣がある
  • 大腸ポリープを切除した血縁者がいる
  • ここ5年以上、大腸カメラ検査を受けていない

大腸ポリープができる原因は遺伝?

大腸ポリープが生じる原因として考えられるのは「遺伝子の異常」です。APC遺伝子が変異することによって、大腸の正常な粘膜がポリープとなるケースが報告されています。
また、K-ras遺伝子・p53遺伝子の変異によって、ポリープががん化するのではないかとも言われています。
実際に、遺伝子の異常が原因で、大腸全体にポリープがたくさんでき、30代頃からがんが生じてしまう「家族性大腸腺腫症」という疾患も存在します。

とはいえ、ポリープができる原因は必ずしも「遺伝子だけ」とは断言できません。年齢(50歳以上)、家族歴(大腸がんになった血縁者がいる)、肉を多く食べる、お酒の飲みすぎ、ハイカロリーな食事、喫煙、肥満などの外的要因も、絡んでいると言われています。
これらの外的要因が遺伝子異常を引き起こす引き金となり、ポリープやがんが生じるのではないかとも考えられています。

大腸ポリープはがんになる?何MMから危険?

大腸がんの90%は、「腺腫が数年間かけて少しずつ大きくなった結果、がんへ移行したもの」だと言われています。
また近年では、大きさが10mm以上のポリープは、「がん化リスクが高いタイプ」だとされています。
また、絨毛状腺腫(25%以上、絨毛構造になっているもの)や高異型度腺腫(正常な構造とは大きく異なっているポリープ)などの場合も、がんリスクが高いと指摘されています。

そして最近では、正常な大腸粘膜から直接がんができるケースも報告されており、この場合は早く浸潤したり転移したりする、危険ながんであるとも言われています。

大腸ポリープの検査方法

大腸ポリープの検査方法

ポリープや早期のがんが発生しても、ほとんどの場合は症状が現れません。
無症状の段階から見つけ出すには、便潜血検査や大腸カメラ検査を行う必要があります。

便潜血検査(2日法)は、便の中に混じっている血の有無を確かめる検査です。検査の感度(がんが発生している時に検査を受けた結果、陽性判定になる確率)は80%で、完全とは言えませんが、簡単にかつ安く行える検査なため、多くの検診で行われています。
しかし、腺腫に対しての感度は低く、10%~50%程度だと言われています。
そのため便潜血を受けて陰性だった方でも、大腸カメラ検査でポリープ・早期がんが発見されるケースがよくあります。

当院では、定期的な大腸カメラ検査をお勧めしています。3年以上検査を受けずにいると、大腸がんが進行してしまう可能性があるため、2年に一度は大腸カメラ検査を受けておきましょう。

特に、便潜血検査で陽性になった方は必ず、大腸カメラ検査を受けてください。

大腸内視鏡検査について

大腸ポリープの切除について

ポリープ切除の痛み

ポリープ切除の痛み

大腸ポリープの多くは、大腸カメラ検査中に切除することができます。切除時の痛みはありませんので、ご安心ください。

切除方法

ポリープのサイズや形状によって治療法は異なります。
内視鏡を用いた切除法は主に3種類あり、「ポリペクトミー」と「内視鏡下粘膜切除術」、「ホットバイオプシー」が挙げられます。

ポリープのサイズや進行度によっては、「内視鏡的粘膜下層剥離術」や外科手術を選択して行います。この場合、総合病院での入院が必要です。
また、10mm以下の平べったいポリープは、熱を加えない「コールドポリペクトミー」を行うケースもあります。これは従来の方法とは異なり、術後の出血・穿孔(せんこう:腸に孔があいてしまうこと)などの合併症リスクが少ないと言われている方法です。

その後の治療方針の参考にするため、切除後には、切り取ったポリープの種類を顕微鏡で調べていきます。大腸がんだと判った場合は、治療が追加される可能性もあります。

リスクや合併症

内視鏡治療を行った後は、切除部分からの出血や穿孔が起こるリスクもありますが、その可能性は低いとされています。少量の血が出る確率も1%以下程度とされており、穿孔する可能性も極めて低いです。
ただし合併症を防ぐためにも、ポリープ切除後からの1週間は、飲酒や腹圧のかかる運動を避けていただく必要があります。なお、コールドポリペクトミーを受けた場合は、飲酒・運動などが制限される期間がより短くなります。

ポリープのサイズが大きい場合や、出血する可能性が高い場合は、他院へ紹介させて頂くこともあります。
分からないことがありましたら、気兼ねなくお問い合わせください。

よくあるご質問

大腸ポリープの切除後は何日安静に休めばよいですか?

デスクワークの方は切除後から4日ほどお仕事をお休みください。
また、重い物を持つことが多い仕事や、階段の上り下りなど体を動かすことが多い仕事をしている方は、1週間程度お仕事をお休みください。

切除後は出血の可能性があるため、当院まで1時間以上かかるところへ住んでいる方は、近隣の施設での治療を推奨します。
切除後から1週間は1時間以内で、2週間は2時間以内で、当院へ通える範囲で動くようにしてください。

大腸ポリープの切除後、食事はどうすればよいですか?

ニンニクや唐辛子、銀杏などが入った食べ物は避けてください。
また、お酒は飲まずに、禁酒に努めてください。

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